resolved.shとは、CSVデータを最短数分で有料APIに変換できるデータ販売サービス。
スクレイピングして集めたDeFi利回り、自分でまとめた建築許可リスト、業界の特許出願データ。手元にあるCSVを「使いたい人へ販売したい」と思った瞬間、立ちはだかるのがサーバー構築・API実装・認証・決済統合の壁。これを丸ごと飛ばせるのがresolved.shです。今回はこのサービスについて読者から寄せられがちな疑問を1記事にまとめました。料金、Stripeとの違い、AIエージェント対応、注意点、価格設定の指針、税務処理まで全部この記事で答えます。
- CSVをアップロードするだけで有料APIとして公開できるデータ販売サービス
- 売上の100%が指定ウォレットに直接入金され、resolved.sh側の仲介手数料は0%(公式説明)
- クレジットカードを持たないAIエージェントを買い手として想定した設計
- 決済通貨はUSDCで、Circle社が発行する米ドル連動型ステーブルコイン
resolved.shはどんなサービス?何ができる?
resolved.shは、手持ちのCSVデータセットをそのまま有料APIに変換できるサービスです。従来、データを売ろうとすると「サーバーを立てる→APIを書く→認証を組む(APIキー?OAuth?)→決済を統合する(Stripeなど)→ドキュメントを書く→デプロイして監視→課金と利用量管理」という長い行程が必要でした。データ提供者の本来の専門性とは関係のない作業ばかりという指摘も成立します。
resolved.shが代替するのは、まさにこの一連のインフラ部分。CSVを送るだけでクエリ可能なAPIが立ち上がり、専用のサブドメイン({slug}.resolved.sh)で公開できます。スキーマの確認は無料で行えるエンドポイントが自動生成され、データへのアクセスは料金を払った購入者だけが受け取れる構造。サービスの公式入口は resolved.sh 公式サイト から確認できます。
特徴的なのは「データを持っている人」が売り手になるための摩擦を極端に下げている点。コードを書ける必要はなく、HTTPリクエストでアカウント作成・受取アドレス指定・CSVアップロードの3つを実行すれば終わります。技術構築ではなく「データそのものの価値」で勝負させる方針が背景にあると読み取れる内容。
なお、本記事執筆時点(2026年4月)で公開されている情報はベース記事の説明に依拠しています。仕様は更新される可能性があるため、最新仕様は公式の確認をおすすめします。
CSVを有料APIに変えるまでの3ステップは具体的にどう進む?
元記事に明記されている手順は3つ。順番に見ていきます。
| ステップ | エンドポイント | 主要パラメータ | 所要時間目安 |
|---|---|---|---|
| 1. アカウント登録 | POST /register/free | display_name / description | 1分 |
| 2. ウォレット設定 | POST /account/payout-address | payout_address | 1分 |
| 3. CSVアップロード | PUT /listing/{id}/data/{file}.csv | price_usdc / description | 2-3分(データサイズ依存) |
ステップ1:無料アカウント登録。POST https://resolved.sh/register/free に対して display_name(表示名)と description(説明文)を送ります。認証は Authorization: Bearer <your-api-key> 形式。これで永続的な公開ページと専用サブドメインが付与され、登録自体に費用は発生しません。
ステップ2:支払い先ウォレットの設定。POST https://resolved.sh/account/payout-address に payout_address(受取アドレス)を送信。ここで指定したアドレスに、売上が直接入る仕組み。後から変更できるかは公式情報の確認が必要ですが、初期設定で慎重に決めておくのが安全です。
ステップ3:CSVのアップロードと公開。PUT https://resolved.sh/listing/{id}/data/{ファイル名}.csv?price_usdc=0.50&description=… のかたちで、価格(USDC建て)と説明をクエリパラメータに含めて送信。Content-Type: text/csv でデータ本体をPUTすれば、即座にクエリ可能なAPIに変換されます。ファイル形式は .csv のほか .json・.jsonl にも対応しており、公式エンドポイントで3形式が明示サポートされています。
事前にCSVと受取アドレスを用意しておけば、3つのHTTPリクエストで配信開始までたどり着く構造。「5分で立ち上がる」という主張は、この3ステップの実行時間を指しています。なお実運用では、データ整形や価格設計の検討時間が別途必要になる点は意識しておきたい部分。
売上はどう受け取る?手数料は本当にゼロ?
ベース記事の説明では、売上の100%が指定したウォレットに直接入金されると明記されています。仲介者を経由するモデル(Stripeなどの決済代行)では数%の手数料が発生するのが通常。たとえばStripeでは標準的なオンライン決済で取引額の2.9%+30¢(米国カード)の手数料がかかると公式に示されています(Stripe Pricing 公式ページ)。resolved.shの設計はこれを取らないと公式に説明されており、ここが従来サービスと最も違う部分。
決済通貨はUSDC(米ドル連動の暗号資産)で、PUTリクエストの price_usdc パラメータで価格を指定します。0.50ドル相当のような少額設定も可能で、1回のクエリあたり数十セントといった「使った分だけ少額決済」のかたちにも対応できる仕組み。
ただし「手数料ゼロ」という表現は、resolved.sh側が徴収する仲介費用が0という意味。USDCのネットワーク送金費用(ガス代)や、USDCを法定通貨に換金する際の取引所手数料は別途発生します。実際に手元に残る金額は、これらコストを差し引いた額になる点に注意が必要です。
USDCとはどんな決済通貨か(背景知識)
resolved.shが採用しているUSDCは、米ドルに1:1で連動するように設計されたステーブルコイン。発行元は米国の暗号資産企業Circleで、準備資産は短期米国債と現金が中心という構成が公式に開示されています(Circle 公式 USDC ページ)。価格が短期的に大きく動くビットコインやイーサと違い、価値変動リスクが小さいため、商品代金のやり取りに使いやすい性質を持ちます。
USDCは複数のブロックチェーン上で発行されており、Ethereumメインネット・Base・Arbitrum・Polygon・Solanaなどに展開されています。送金時のガス代(ネットワーク手数料)はチェーンによって大きく異なり、Ethereumメインネットでは送金費用が高くなる傾向、Base・Arbitrumなどのレイヤー2では大幅に低く抑えられる傾向があります。少額決済を多発させる用途では、低コストなチェーンを選ぶ判断が利益に直結します。
resolved.sh側でどのチェーンのUSDCを受け取れるかは、公式仕様の確認が必要な部分。受取アドレスを設定する前に、対応チェーンとガス代の目安を把握しておくと、想定外の損失を避けられます。
resolved.shとStripeは何が違う?どちらを選ぶべき?
「決済」という共通点はあるものの、両者の役割は大きく異なります。さらに比較対象を広げて、データ販売の代表的なルートを整理すると以下のとおり。
| 項目 | resolved.sh | Stripe | APIマーケットプレース | 自前構築 |
|---|---|---|---|---|
| 役割 | データAPI化+決済 | 決済処理のみ | API販売窓口 | すべて自前 |
| サーバー構築 | 不要 | 自前で用意 | API実装は自前 | 必要 |
| API実装 | 不要 | 自前で実装 | 自前で実装 | 必要 |
| 決済方法 | ウォレット(USDC) | クレジットカード等 | クレジットカード等 | 選択可 |
| 仲介手数料 | 0%(公式説明) | 取引額の2.9%+30¢等 | 収益分配あり | 0% |
| AIエージェント相性 | 高い | 低い | 中程度 | 設計次第 |
| 立ち上げ速度 | 数分 | 数日〜数週間 | 数日〜数週間 | 数週間〜数ヶ月 |
Stripeはあくまで「カード決済の代行」を担うサービス。データを売る場合、Stripeでカード課金を実装しても、その先のAPI公開・認証・配信ロジックは自分で構築する必要があります。Stripe Connectなどの仕組みを使えばマーケットプレース型の構成は可能ですが、開発工数は変わらず必要です(Stripe Connect 公式ドキュメント)。一方resolved.shは、API化と決済をワンセットで提供するため、エンジニアリングコストが圧倒的に小さくなります。
APIマーケットプレース型のサービスは、配信窓口を借りられる代わりに収益分配が発生し、API本体の実装は依然として自前で行う必要があります。立ち上げの早さと収益保持率のバランスをどう取るかが選定軸。
選び方の目安として、購入者が法人ユーザー中心でクレジットカード決済が前提ならStripeを使った独自API構築のほうが受け入れやすい場面もあります。逆に、AIエージェントや暗号資産に慣れた開発者層をターゲットにするなら、resolved.shのウォレット決済が摩擦の少ない選択になります。
AIエージェントが買い手になるってどういうこと?
近年の大きな変化として、データの購入者が「人間の開発者」だけでなく「AIエージェント」になるケースが増えています。AIエージェントは自律的にWebを巡回し、必要なデータを取得して意思決定する存在。たとえばAnthropicが公開しているClaudeのツール使用機能では、エージェントが外部APIを呼び出して情報を取得し、結果に基づいて次の行動を判断する流れが標準化されつつあります(Anthropic Tool use 公式ドキュメント)。問題は、こうしたエージェントは多くの場合クレジットカードを持っていないという点。
従来のAPI課金モデルはクレジットカード前提で設計されています。エージェントが自律的に「このデータを買って分析したい」と判断しても、決済手段がないため取引が成立しないという現実的な壁が存在。HTTP 402 Payment Requiredステータスを用いた機械対機械の決済プロトコルも提案されており、ウォレット連動のマイクロペイメントが現実的な代替策として注目されています。
resolved.shのウォレット決済は、この問題に対する一つの回答。エージェントに少額のUSDC残高を持たせておけば、人間の介在なしにデータ購入を完結できる構造。AI時代のデータ流通にとって、決済の自動化は機能要件というより前提条件として扱う必要があります。
ただし、エージェントが勝手に高額データを買い続けるリスクもあります。エージェント側に上限予算や購入ルールを設けておかないと、想定外の出費が発生する可能性は残ります。買い手としてエージェントを設計する場合は、支出ガードを必ず実装したいところ。
どんなデータが収益化に向いている?向かないデータは?
元記事が例示している候補は、DeFi利回り情報、建築許可リスト、レストラン衛生スコア、特許出願情報。共通点は「自分で集めて何かを構築するのに使えるくらい価値がある」「他者も同じ情報を欲しがる」「定期的に更新される」の3点。
向いているデータの特徴を整理すると以下のとおり。
- ニッチで自分以外に集めにくい:誰もが持っているデータは値段が付きにくい
- 構造化されている(CSVに収まる):表形式で意味が伝わるデータが扱いやすい
- 更新頻度がある:一度取得したら終わりではなく、繰り返しアクセスが発生する
- AIエージェントが意思決定に使いやすい:定量データやリスト形式
逆に向かないデータも明確。著作権が他者にあるデータ、個人情報を含むデータ、一度取得したら更新の必要がない静的データ、文脈が複雑で構造化しにくい長文テキストなどは、resolved.shの仕組みと相性がよくありません。特に個人情報を含むCSVをそのままアップロードするのは法的リスクを伴うため、絶対に避けるべき行為です。日本国内の個人情報の取扱いについては個人情報保護委員会の解説ページ、EU圏ではGDPR本文が一次情報源になります。
価格設定はどう考えるべきか
USDCはセント単位で価格を刻めるため、伝統的なサブスクリプション課金にはなかった柔軟な料金設計が可能になります。実装の前に、想定される利用パターンに対して価格モデルを整理しておくと、運用後の値付け迷子を避けられます。
| モデル | 適した用途 | 価格レンジ目安 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 1クエリ少額従量 | AIエージェントの自動取得 | $0.01〜$0.50 | 購入の心理的ハードルが低い | 送金ガス代との収支計算 |
| データセット一括 | 研究者・分析チーム | $5〜$500 | 収益が読みやすい | 更新頻度のコミット必要 |
| 高頻度大口 | 業務システム連携 | $500以上 | 少数顧客でも収益化可能 | SLA・サポート体制要 |
少額従量はAIエージェント時代の主流になり得るモデル。1回数セントでも、エージェント側が定期的にアクセスすれば月単位ではまとまった売上になります。データセット一括は人間の研究者向けに馴染みのある料金体系。高頻度大口は法人顧客に対する独自交渉余地もあるため、resolved.shに加えて自前API連携を併用する設計も検討しやすい価格帯。
価格を後から変更する場合、購入者の体験が変わる点に注意。値上げ前後で同じデータが2倍の価格になるとリピーターが離れるため、値付けの前に「半年運用しても無理のない価格」を設定するほうが運用が安定します。
導入前に確認しておくべき注意点は?
実運用に入る前にチェックしておきたい点を整理します。
まずデータの権利関係。スクレイピングで集めたデータは、元サイトの利用規約で再配布が禁じられている場合があります。「自分が集めた」ことと「自分が販売できる」ことは別問題。法的トラブルを避けるため、収集元の規約と該当国の法令の確認が前提です。
次に個人情報の混入。CSVに名前・メールアドレス・電話番号などが含まれていないか必ず確認。匿名化処理を施さないままアップロードすると、個人情報保護法やGDPRなどの規制対象になります。
そして更新コミットメント。「日次更新」と説明文に書いた以上、購入者はその頻度で最新データを期待します。手動更新を続ける覚悟があるか、自動化スクリプトを準備するか、運用体制を事前に決めておくのが賢明。
最後にウォレット管理。受取アドレスの秘密鍵を失えば、売上は回収不能。ハードウェアウォレットの利用や、秘密鍵のバックアップ手順を運用フローに組み込んでおくべき項目。鍵管理に関する一般的なセキュリティガイドラインは、米国NIST(国立標準技術研究所)の公開資料も参照価値があります(NIST Computer Security Resource Center)。
| サービス名 | resolved.sh |
|---|---|
| 対応データ形式 | CSV / JSON / JSONL |
| 登録費用 | 無料 |
| 仲介手数料 | 0%(公式説明) |
| 決済通貨 | USDC |
| 受取方法 | 指定ウォレットへの直接入金 |
| 公開URL形式 | {slug}.resolved.sh |
公式説明によれば、resolved.shは「サーバー構築・API実装・認証・決済統合・ドキュメント整備・デプロイ・課金管理」の各工程を1つのHTTPリクエスト群に圧縮することを目的としたサービス。データ提供者が技術構築に時間を取られず、価値ある情報そのものに集中できる環境を提供する位置づけだとされる。
よくある質問
Q. resolved.shの利用に料金はかかりますか?
アカウント登録自体は無料と公式に明記されています。データを公開する際に課金プランを購入する必要はなく、売上が発生したときに100%受け取る仕組み。ただしUSDCの送金費用や換金手数料は別途発生します。
Q. CSV以外のデータ形式に対応していますか?
公式エンドポイントでは .csv・.json・.jsonl の3形式が明示サポートされています。バイナリデータや画像については別途扱いを確認する必要があるため、最新仕様は公式情報を参照するのが確実です。
Q. 既存の自前APIと併用できますか?
resolved.shは独立したサービスのため、自前APIと並行して提供することは技術的に可能。たとえば全データの一括ダウンロードはresolved.sh、リアルタイムストリームは自前APIといった棲み分けが考えられます。価格戦略を整理した上で運用したい部分。
Q. AIエージェントから本当に購入できますか?
ウォレット経由の決済に対応しているため、クレジットカードを持たないAIエージェントでも購入可能。エージェント側にUSDC残高と購入権限を持たせておけば、自動的にデータを取得して活用できる構造です。エージェント側の購入ロジックは、Claude等のツール使用機能を活用して実装できます。
Q. 売上を法定通貨に変える方法は?
受け取ったUSDCを取引所に送金し、米ドルや日本円に換金する流れになります。各国の取引所手数料・税務処理が必要になるため、国内の暗号資産取引所での換金フローを事前に確認しておきましょう。日本国内では金融庁登録の暗号資産交換業者を利用するのが基本ルートです。
Q. 売上に税金はかかりますか?
暗号資産で受け取った売上は、日本では原則として雑所得または事業所得として課税対象になります。国税庁が公表している暗号資産取引の課税解説(国税庁公式サイト)を確認し、必要に応じて税理士への相談をおすすめします。
まとめ:データ販売の摩擦を最小化する選択肢
resolved.shに関する主要な疑問を一気に振り返りました。要点は以下の3つ。
第一に、CSVをアップロードするだけで有料APIが立ち上がる仕組みであり、サーバー構築から解放されること。第二に、売上の100%が直接ウォレットに入金される手数料ゼロの設計(公式説明)。第三に、クレジットカードを持たないAIエージェントを買い手として想定した、新しい時代のデータ販売プラットフォームであること。
「自分のデータが売れるか試したい」という段階の人にとって、初期投資ゼロで配信開始まで到達できる価値は大きいはず。一方で、データの権利関係・個人情報・運用コミットメント・税務処理は自分で引き受ける必要があり、ここを疎かにすると後で大きなトラブルになります。今回まとめた疑問点を起点に、自分のデータが本当にこの仕組みに合うかを判断してみてください。本記事で扱いきれなかった機能仕様は、resolved.shの公式ドキュメントを直接参照するのが確実な情報源。
本記事は AIツール図鑑編集部 が記載時点の情報をもとに執筆。製品アップデートや第三者ベンチマーク・価格・対応ランタイム等の変動で評価が変わる可能性がある。一定期間経過した内容は再検証を推奨する。

