この記事の要点
Claude Sonnet 5.5 は Sonnet 5 を置き換える現行の Sonnet で、Anthropic は範囲のはっきりした日常の作業を最も得意とし、Opus 5.5 を補うモデルと位置づけている。入力と出力の単価は Sonnet 5 と同じで、キャッシュ読み出し(同じ入力の繰り返し部分を再利用したときの料金)だけが下がった。
effort の既定値は Claude Platform の API では high、Claude Code と Claude のアプリでは medium で、同じモデルでも使う場所で考える深さの初期値が違う。Sonnet 5 で使っていた設定は持ち込まず、作業ごとに測り直す。
判断の続く複雑な作業は Opus 5.5、範囲の狭い大量処理は Haiku 5.5 という Anthropic の位置づけを手がかりに選ぶ。API で移るなら、使っている機能に当てはまる破壊的変更をモデル ID を替える前に直す。
本記事の料金・仕様・提供範囲は2026年10月14日に各公式ページで確認した掲載値にもとづく。
Claude Sonnet 5.5とは
Claude Sonnet 5.5(以下 Sonnet 5.5)は、Anthropic が2026年9月28日に発表した Claude 5.5 ファミリーの2番目のモデルで、Claude Sonnet 5(以下 Sonnet 5)を置き換える現行の Sonnet だ。Anthropic は Sonnet 5 からの明確な改良と位置づけている。同社の説明では、Claude Opus 5.5(以下 Opus 5.5)が慎重な判断を要する複雑な作業のためのモデルなのに対し、Sonnet 5.5 は範囲のはっきりした日常の作業、バグの修正、文書やスライドや表計算の作成を最も得意とし、Opus 5.5 を補う役を担う。
2026年10月14日時点で、Anthropic のモデル一覧に並ぶ現行のモデルは Claude Fable 5.1(以下 Fable 5.1)・Opus 5.5・Sonnet 5.5・Claude Haiku 5.5(以下 Haiku 5.5)の4つで、公開日は Opus 5.5 が2026年9月22日、Sonnet 5.5 が9月28日、Haiku 5.5 が10月7日だ。一覧は、迷ったらほとんどの用途で Opus 5.5 から始め、難しい推論や長い時間をかけて自律的に進める作業、Opus 5.5 で考える深さの設定を上げても評価が足りないときは Fable 5.1 を使うよう案内している。
Anthropic が Sonnet 5.5 の強みに挙げているのは、Opus 5.5 より速く、単価が低いことだ。1タスクあたりの費用が安くなるのは低い effort(どれだけ考えてから答えるかの設定。考える量とトークンの使い方が変わる)で使うときで、高い effort では Opus 5.5 と同じくらいの費用で同じくらいの成績になりうるとしている。Opus 5.5 との境目は「Opus 5.5との使い分け」、Haiku 5.5 との境目は「Haiku 5.5との使い分け」で扱う。
使う場所ごとの読みどころは次のとおり。
- Claude のアプリ(claude.ai など)で使う場合は、「使える場所と始め方」と、「effortの既定値は使う場所で違う」の小見出し「Claude のアプリでは effort をメニューで選ぶ」
- Claude Code で使う場合は、「effortの既定値は使う場所で違う」の小見出し「Claude Code では既定が high から medium に下がる」(必要なバージョンと別名の指す先もここにある)と、「使える場所と始め方」の Claude Code の小見出し(クラウド経由で配るときのバージョンの固定と、Claude Sonnet 4.5 の退役)
- API で使う場合は、「Claude Sonnet 5.5の料金」、「effortの既定値は使う場所で違う」の小見出し「API での出発点」、「APIで移行するときに止まる箇所」
- Claude Sonnet 4.6(以下 Sonnet 4.6)から移る場合は、「Sonnet 4.6から移る場合」
Sonnet 5(2026年6月30日公開)は、公式のモデルページで Active (legacy) の扱いになっている。まだ使えるが、Sonnet 5.5 への移行を検討するよう案内されている。退役は2027年6月30日より前ではないという約束で、退役日そのものではない。この日付は Anthropic が運営する Claude API・Claude Platform on AWS・Microsoft Foundry のもので、Amazon Bedrock と Google Cloud は各社が退役の日程を決めるため、状態や日付が違うことがある。
Claude そのものの基本(モデルの系統・プラン・使い方)から押さえたい場合は、Claudeとは?Anthropic製AIの特徴・料金・使い方を初心者向けに解説が入口になる。
Sonnet 5から変わったこと
この記事に出てくる速さ、1タスクあたりの費用の削減率、ベンチマークの値は、Anthropic が自社の発表で示した値だ。測定はいずれも Anthropic とベンチマークの測定元によるもので、測定の条件は各社で同じとは限らず、手元の作業で同じ差になるとも限らない。また、単価の比は1タスクあたりの費用の比ではない。
Sonnet 5 を使ってきた場合に、まず押さえる点を以下に並べる。API のコードに影響する変更は「APIで移行するときに止まる箇所」で扱う。
速さと1タスクあたりの費用
Anthropic は、Sonnet 5.5 の出力の生成が Sonnet 5 より30%以上速いと説明している。費用については、同じ作業に使うトークン(文章を区切った文字のかたまり。料金はこの数で決まる)がずっと少ないため、同社のテストでは1タスクあたりの費用が Sonnet 5 より最大30%安かったとしている。入力と出力の単価は Sonnet 5 と同じなので、費用が下がる理由は同じ作業に使うトークンが少ないことで、速さは費用の理由ではない。この最大30%は9月28日の発表時の値で、どの作業でも30%安くなるという保証ではない。
キャッシュ読み出しの値下げ
Claude API の掲載値では、2026年10月7日(Haiku 5.5 の発表と同じ日)に、Sonnet 5.5 のキャッシュ読み出し(前に送った同じ入力の部分を再利用したときの料金)の価格が100万トークンあたり0.20ドルから0.10ドルへ半額になった。Amazon Bedrock と Google Cloud の料金は各クラウドが別に定める。9月28日の Sonnet 5.5 の発表ページの料金表は、2026年10月14日時点で値下げ前の0.20ドルのままになっている。
Anthropic は、キャッシュ読み出しがトークン消費の大きな割合を占めるため、ほとんどのエージェント型(AI が手順を自分で組み、ツールを呼びながら進める作業。Claude Code での作業がその例)の作業で、Sonnet 5.5 の費用が値下げ前より約20%下がると説明している。この約20%は値下げ前の Sonnet 5.5 と比べた同社の見積もりで、作業によって変わる。発表時の「Sonnet 5 より最大30%安い」とは比べる相手が違い、足し合わせる値ではない。
知識のカットオフ
知識のカットオフ(モデルがどの時点までの情報を学んでいるか)は、Sonnet 5.5 が2026年6月、Sonnet 5 が2026年1月だ(公式ページの信頼できる知識の範囲と学習データの範囲が、どちらも同じ月)。
effort の段階とトークナイザ
Sonnet 5.5 では effort の段階が再較正されていて、同じ段階でも Sonnet 5 と同じ量だけ考えるとは限らない。公式は、Sonnet 5 で使っていた設定を持ち込まず、自分の評価で effort を測り直すよう案内している(詳しくは「effortの既定値は使う場所で違う」)。一方、トークナイザ(文章をトークンに区切る仕組み)は Sonnet 5 と同じで、同じ文章なら同じトークン数になる。
サイバー系の安全策
Anthropic の発表ページによると、Sonnet 5.5 はサイバーセキュリティの能力が Claude Opus 5 並みになったため、Sonnet として初めて、上位モデルと同様のサイバー系の安全策とフォールバックを付けて公開された。通常のソフトウェア開発でのバグの発見や修正はできるが、リスクの高いサイバーセキュリティの作業は目に見える形で Sonnet 5 に切り替わる、というのも発表ページの説明で、どの依頼が対象になるかの線引きは同社の判定による。生物学の安全策は Sonnet 5 と同じだ。API では設定しない限り自動では切り替わらず、拒否が返る(「API でのサイバー系の拒否とフォールバック」)。
Claude Code では、Sonnet 5.5 でサイバーセキュリティと判定された依頼は Sonnet 5 で再実行され、生物学と判定された依頼はフォールバック先が無いため拒否で終わる。フォールバックした後も、判定された依頼が動いていた effort の段階が引き継がれる。Claude Code を Amazon Bedrock・Google Cloud の Agent Platform・Microsoft Foundry 経由で使う場合は、フォールバック先のモデルを使える設定にしておく必要がある。
Sonnet 4.6から移る場合
Sonnet 4.6 は、公式のモデルページで Active (legacy) とされている。まだ使えるが、Sonnet 5.5 への移行を検討するよう案内されている。
Claude API の単価を並べると次のようになる。
| モデル(Claude API・100万トークンあたり・米ドル) | 入力 | 出力 | 5分キャッシュ書き込み | 1時間キャッシュ書き込み | キャッシュ読み出し |
|---|---|---|---|---|---|
| Sonnet 5.5 | $2 | $10 | $2.50 | $4 | $0.10 |
| Sonnet 4.6 | $3 | $15 | $3.75 | $6 | $0.30 |
100万トークンあたりの単価は Sonnet 5.5 のほうが低い。ただし、単価の差がそのまま同じ作業にかかる費用の差にはならない。
公式の移行ガイドは Sonnet 4.6 からの移行も扱っている。「APIで移行するときに止まる箇所」の表の変更は Sonnet 4.6 から移る場合にも必要で、そのうえで次の変更が加わる。
- thinking を指定していない依頼でも適応型の思考が有効になる。実際に考えるかどうかと考える量は作業と effort で変わり、低い effort では単純な依頼で思考を省くことがある(これまでどおり事前の思考なしで動かしたい場合は、「APIで移行するときに止まる箇所」の表の最初の行の
between_toolsを使う。effort が high 以下のときだけ) budget_tokensによる思考の指定が 400 エラーになる。適応型の思考(考えるかどうか、どれだけ考えるかをモデルが自分で決める方式)と effort に置き換える。予算と effort の段階の決まった対応は無いので、2〜3段階で評価するtemperature・top_p・top_kを既定以外の値にすると 400 エラーになる- 思考の文章が既定では返らない
- 画像は高解像度の扱いになり、2000×1500 の画像は約2.5倍のトークンになる
- リアルタイムのサイバー系の安全策が加わる
詳しくは公式の移行ガイド(Claude Sonnet 5.5 migration guide)の、Sonnet 4.6 以前の Sonnet からの節にある。Claude Sonnet 4.5 以前のモデルや Claude Haiku 4.5(以下 Haiku 4.5)から移る場合は、さらに別の変更が加わる(会話の最後を assistant の発言で終える prefill が 400 エラーになるなど)。
Sonnet 4.6 から移るかどうかを決めるときの材料は次のとおり。
- 期限:退役は2027年2月17日より前ではなく、公式は Sonnet 5.5 への移行の検討を案内している(日付の意味と対象の経路は Sonnet 5 と同じ)。
- 費用:単価は下がるが、同じ文章が約30%多いトークンに数えられ(増え方は内容による)、thinking を指定していない依頼でも適応型の思考が有効になり、思考のトークンは出力のトークンとして課金されるので、出力側のトークンも増えうる。手元の依頼で、両モデルの使ったトークン数を並べて確かめる。
- effort:Sonnet 4.6 の既定は API でも Claude Code でも high で、Sonnet 5.5 は API が high、Claude Code が medium。
- 性能:性能の差は Sonnet 5.5 の発表ページの表に無いので、同じ入力を両モデルに流して質を比べる(手順は「API での出発点」の測り直しと同じ)。
Claude Sonnet 5.5の料金
ここで扱うのは Claude API の従量課金の掲載値で、Amazon Bedrock と Google Cloud の料金は各クラウドが別に定める。Claude のアプリの月額プランは「使える場所と始め方」にある。料金は改定されうる。
| モデル(Claude API・100万トークンあたり・米ドル) | 入力 | 出力 | 5分キャッシュ書き込み | 1時間キャッシュ書き込み | キャッシュ読み出し |
|---|---|---|---|---|---|
| Sonnet 5.5 | $2 | $10 | $2.50 | $4 | $0.10 |
| Sonnet 5 | $2 | $10 | $2.50 | $4 | $0.20 |
| Opus 5.5 | $4 | $20 | $5 | $8 | $0.20 |
| Haiku 5.5(プロンプト10万トークン以下) | $0.10 | $0.50 | $0.125 | $0.20 | $0.01 |
| Haiku 5.5(プロンプト10万トークン超) | $0.50 | $2.50 | $0.625 | $1 | $0.05 |
| Fable 5.1 | $10 | $50 | $12.50 | $20 | $0.25 |
Sonnet 5.5 と Sonnet 5 で違うのはキャッシュ読み出しだけだ。キャッシュ読み出しは多くのモデルで標準の入力単価の10%だが、Opus 5.5 と Sonnet 5.5 は5%、Fable 5.1 は2.5%に設定されている。5分のキャッシュ書き込みは入力単価の1.25倍、1時間の書き込みは2倍になる。
Sonnet 5 の入力2ドル・出力10ドル(100万トークンあたり)という料金は、公開時には2026年8月31日までの導入価格と案内されていたが、公式の料金ページではその後そのまま標準価格になったと注記されている。
Batch API(急がない大量の依頼を非同期でまとめて処理する仕組み)は入力・出力とも50%割引で、Sonnet 5.5 は100万トークンあたり入力1ドル・出力5ドルになる。キャッシュの倍率は Batch の割引と重ねて掛かる。
長い入力でも、Sonnet 5.5 は100万トークンのコンテキスト全体を標準の単価で使え、90万トークンの依頼も9,000トークンの依頼と同じ単価になる(Claude 4.6 以降のモデルの扱いで、Haiku 5.5 は除く)。Haiku 5.5 はプロンプトが10万トークンを超えた依頼が高い区分になり、その判定にはキャッシュの読み出しと書き込みも含めた入力のトークン数が数えられる。
米国内だけで推論させたい場合は、Claude 4.6 以降のモデルで inference_geo に "us" を指定すると、入力・出力・キャッシュ書き込み・キャッシュ読み出しのすべての単価に1.1倍が掛かる。これは Claude API と Claude Platform on AWS の扱いで、既定の global は標準価格だ。Microsoft Foundry では US Data Zone Standard の配備形式を使うと同じ1.1倍が掛かる。ただし Sonnet 5.5 は Foundry では Global Standard の配備だけで、US Data Zone Standard は選べない。Amazon Bedrock と Google Cloud は、それぞれ独自の地域別の料金を持つ。
effortの既定値は使う場所で違う
effort は、どれだけ考えてから答えるかを決める設定で、考える深さとトークンの使い方が変わる。段階は low・medium・high・xhigh・max の5つで、Sonnet 5.5 はすべてに対応している。Anthropic の発表ページの説明では、低い段階ほど速く答えてトークンも少なく、高い段階ほど長く考えて作業を念入りに確かめる。effort は厳密なトークンの上限ではなく、低い段階でも難しい問題では考える。
既定の段階は使う場所で違う。Anthropic の発表ページは、Sonnet 5.5 の既定を Claude Code と Claude のアプリでは medium、Claude Platform(Anthropic の API)では high にしていると説明している。
| 使う場所 | Sonnet 5.5 の既定 | Sonnet 5 の既定 |
|---|---|---|
| Claude Platform(API) | high | high |
| Claude Code | medium | high |
| Claude のアプリ | medium | — |
— は2026年10月14日時点で公式のページに値を見つけられなかった欄。
API の既定は Sonnet 5 と同じ high のままで、Claude Code は high から medium に下がった。Claude のアプリは Sonnet 5 の既定を(2026年10月14日時点で)公式ページで確認できなかったため、下がったかどうかは分からない。Amazon Bedrock・Google Cloud・Microsoft Foundry・Claude Platform on AWS を経由した場合の既定は、この表に含めていない。
Claude Code では既定が high から medium に下がる
Claude Code で Sonnet 5.5 を使うには v2.1.284 以降が要る。別名 sonnet が Sonnet 5.5 を指すのは Anthropic API で使うときで、Claude Platform on AWS では Sonnet 4.6、Amazon Bedrock・Google Cloud の Agent Platform・Microsoft Foundry では Sonnet 4.5 を指す。これらの経路で Sonnet 5.5 を使うには、モデル名を明示するか ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL を設定する。以下は Sonnet 5.5 が選ばれている場合の話。
ここでの「段階を固定している」は、環境変数・--effort・Sonnet 5.5 用に保存した段階・プロジェクトなどの設定で段階が決まっている状態を指す(Sonnet 5 で保存した段階は含まない)。段階を固定していなければ、Sonnet 5 から Sonnet 5.5 へ移ると既定の段階は high から medium に下がる。Sonnet 5 で /effort から保存した段階は Sonnet 5.5 に引き継がれず、Sonnet 5.5 用に選び直すまでは medium で始まる。
high など別の段階で動かしたいときは、/effort か /model の画面で Sonnet 5.5 用に段階を選ぶ。選んだ段階がどこまで続くかは、確定の仕方で変わる。
/effortのスライダーか/modelの画面で Enter で確定した段階、または/effort highのようにレベル名を打った段階(low・medium・high・xhigh)は、そのモデルについて保存され、次回以降のセッションでも使われる。s で確定するとそのセッションだけに適用される。- max は、環境変数
CLAUDE_CODE_EFFORT_LEVELで指定した場合を除き、そのセッションだけに適用される。 - 起動時の
--effortはその1回のセッションだけに適用される。毎回同じ段階にしたいときは環境変数CLAUDE_CODE_EFFORT_LEVELを使う。
保存はモデルごとで、モデルはそれぞれ自分の保存した段階を持つ。Claude Code で Sonnet 5.5 に選べる段階は low・medium・high・xhigh・max の5つだ。
Claude Code の既定の medium は、「API での出発点」の表の「仕様が明確なエージェント型のコーディング」と同じ段階にあたる。
設定ファイルを編集している場合は、段階が決まる順番も関わってくる。Claude Code は次の順に見て、最初に当てはまったものを使う。
- 明示の指定(環境変数
CLAUDE_CODE_EFFORT_LEVEL・起動時の--effort・セッション中の/effort) - 保存した設定
- モデルごとの既定(Opus 5.5・Sonnet 5.5・Haiku 5.5 は medium、Claude Opus 4.7 は xhigh、それ以外の effort 対応モデルは high。組織の管理者が既定を設定している場合はそちらになりうる)
以前の /effort がユーザー設定に書いていた古い形式の effortLevel は、Opus 5.5 とそれより後に出たモデルには適用されない。Sonnet 5.5 は Opus 5.5 より後に公開されたのでこれに当たり、/effort か /model の画面で段階を選ぶまでは自分の既定で始まる。一方、プロジェクト・ローカル・管理者の設定に書いた effortLevel や、--settings で渡したものは全モデルに適用される。
API での出発点
API で effort を指定しない場合、Sonnet 5.5 は high で動く(既定と同じ値を指定するのは、effort を省略するのと同じ動作になる)。Opus 5.5 と Haiku 5.5 は既定が medium だ。公式の effort のページは、Sonnet 5.5 の出発点を次のように案内している。
| 作業の種類 | 出発点の段階 |
|---|---|
| エージェント型でも遅延に敏感でもない作業 | high |
| 仕様が明確なエージェント型のコーディング・複数手順のツール利用 | medium |
| 難しい・長いエージェント型のコーディング・複数手順のツール利用 | high へ上げる |
| チャットなど遅延に敏感な作業 | medium か low |
| xhigh・max を使う場面 | 自分の評価で品質の向上が見えたところだけ |
表の段階はどれも Anthropic の推奨の出発点で、最適な段階は作業ごとに確かめて決める。
API でエージェント型のコーディングをする場合は、max_tokens をモデルの上限の128,000にして、応答をストリーミングで受け取るよう案内されている。思考のトークンは、返されなくても max_tokens に数えられる。
低い段階の費用について、Anthropic の発表ページは、いくつかのベンチマークで low か medium の Sonnet 5.5 が、Sonnet 5 の最高点を1タスクあたり約10分の1の費用で上回ったとしている(Sonnet 5 の最高点を上回るのに要した費用の比で、同じ作業の費用を比べた最大30%とは比べ方が違う)。
段階を決めるときは、手元で回している依頼をいくつか選び、同じ入力を既定の段階とその前後の段階で流して、結果の質と使ったトークン数を並べる。質が足りる最も低い段階を採るのが、公式の言う effort の測り直しにあたる。
Claude のアプリでは effort をメニューで選ぶ
Claude のアプリ(claude.ai)では、effort はモデル名のメニューから選べ、各モデルの推奨の段階がメニューで Default と表示される。思考はオフにできない(Sonnet 5.5 のほか、Haiku 5.5・Opus 5.5・Fable 5.1・Opus 5 も同じ)。
スペックと対応環境
Sonnet 5.5 の主な仕様は次のとおり。モデル ID は経路によって2種類ある。
| 項目 | Sonnet 5.5 |
|---|---|
| モデル ID(Claude API・Google Cloud・Microsoft Foundry・Claude Platform on AWS) | claude-sonnet-5-5 |
| モデル ID(Amazon Bedrock) | anthropic.claude-sonnet-5-5 |
Microsoft Foundry の API で model に指定する値 |
デプロイ名(既定ではモデル ID と同じ。別の名前でデプロイした場合はその名前) |
| 公開日 | 2026年9月28日 |
| 退役(Anthropic が運営する経路で、これより前には退役させないという約束) | 2027年9月28日より前ではない |
| コンテキストウィンドウ | 1M トークン |
| 最大出力 | 128K トークン(Message Batches API ではベータのヘッダーで 300K トークン) |
| 思考の方式 | 適応型の思考(既定でオン) |
| Claude API での既定 effort | high |
| 入力と出力の種類 | 入力はテキストと画像、出力はテキスト |
| 知識のカットオフ | 2026年6月 |
| 最小のキャッシュ長 | 512トークン(Sonnet 5 は1,024トークン) |
| サンプリングの設定 | temperature・top_p・top_k は既定の値のまま使う |
temperature・top_p・top_k を既定以外の値にすると 400 エラーになる。
APIで移行するときに止まる箇所
API で Sonnet 5 から移る場合、モデル ID を替えるだけでは動かない破壊的変更が5つある。次の表はその5つを並べ、最後の行に、エラーにはならないが応答の形が変わる点を載せた。Sonnet 4.6 から移る場合は、「Sonnet 4.6から移る場合」の追加の変更も要る。
表の後には、表に収まらない点を「思考ブロックとアカウント」「advisor tool の助言側」「ツール呼び出しの間の文章」「API でのサイバー系の拒否とフォールバック」の4つの小見出しで補う。なお、temperature・top_p・top_k を既定以外の値にすると 400 エラーになる制限は Sonnet 5 でも同じなので、Sonnet 5 から移るときに新しく起きる変更ではない(Sonnet 4.6 以前から移る場合は「Sonnet 4.6から移る場合」を見る)。
| 変わる点 | Sonnet 5 での書き方 | Sonnet 5.5 での直し方 | 当てはまる場合 |
|---|---|---|---|
| 事前の思考をオフにする指定 | thinking: {"type": "disabled"} |
400 エラーになる。effort が high 以下のときは thinking: {"type": "between_tools"} を送る(ベータのヘッダーは不要)。between_tools は事前の思考だけをオフにし、ツール呼び出しの間には思考する。xhigh・max では between_tools を使えず、適応型の思考を使う。between_tools を使っている間は、会話の途中でメッセージごとの effort を別の段階に変えると 400 エラーになる(途中で変えたいなら適応型の思考を使う)。 |
思考をオフにしているコード(between_tools は Sonnet 5.5 を提供するすべての経路で使える) |
| 強制のツール呼び出し | tool_choice の type を any か tool にする |
400 エラーになる。使えるのは auto(既定)と none。決まった形の入力が要るなら auto のまま strict: true(strict tool use)を付けるか structured outputs に移し、ツールを呼ばせたい条件はプロンプトに書く。Amazon Bedrock では strict tool use と structured outputs が使えないので、auto のまま strict を付けずに条件をプロンプトに書き、受け取った入力をコード側で確かめる。 |
すべての経路 |
| 思考ブロックを含む履歴の送り直し | システムプロンプト・ツール・以前のメッセージを書き換えたうえで、思考ブロックごと送り直す | 書き換えた後に Sonnet 5.5 の思考ブロックを送り直すと 400 エラーになる。会話は追記だけにし、指示やツールの変更は、会話の途中に追加するシステムメッセージで行う(ツールを途中で変える機能はベータ)。 | 履歴を書き換えて送り直すコード(既定で 400 になるのは、Claude API・Amazon Bedrock・Google Cloud で2026年8月31日(UTC)以降に作ったアカウント。詳細は「思考ブロックとアカウント」) |
| computer use | 旧ツール computer_20251124 を宣言する |
400 エラーになる。computer_toolset_20260801 へ移る。beta ヘッダーを外し、tools の指定を差し替え、エージェントループの書き換えも要る(詳細は公式の移行ガイド)。 |
Claude API・Google Cloud(Amazon Bedrock では Sonnet 5.5 も computer_20251124 を受け付ける) |
| advisor tool の助言側 | Sonnet 5.5 が受け付けないモデルを助言側にしている | 400 エラーになる。助言側を Opus 5.5・Fable 5.1 などの上位モデルか Sonnet 5.5 自身にする。 | Sonnet 5.5 を作業側にして advisor tool を使うコード(ベータ) |
| ツール呼び出しの間の文章(エラーにはならない) | ツール呼び出しの間の文章をテキストとして受け取る | 長めのメモが思考ブロックとして返り、既定の display では空になる。適応型の思考のときは display の値を設定するか、between_tools にする。どちらでも文章は思考ブロックの中身として返るので、読む場所を思考ブロックに替える。between_tools と display を一緒に送ると 400 エラーになる。 |
ツール呼び出しの間の文章を利用者に見せているアプリ |
思考ブロックとアカウント
Sonnet 5.5 の思考ブロックは、それを出したモデルと会話に結びつく。API は、思考ブロックより前の部分(システムプロンプト・ツール・それ以前のメッセージ)が、ブロックが出された後に変わっていないかを確かめる。この確認が既定で働くのは、Claude API・Amazon Bedrock・Google Cloud で2026年8月31日(UTC)以降に作られたアカウントだ。それより前に作られたアカウントでは、ベータのヘッダーと設定で同じ扱いを選べる。
思考ブロックはアカウントにも結びつく。Sonnet 5.5 が出した思考ブロックは、それを出したアカウント(またはリンクされたアカウント)でだけ使える。別のアカウントから送られた思考ブロックは、モデルに渡る前に API が取り除き、依頼自体は成功する。Anthropic の発表ページは、Claude Code で会話の途中にアカウントを切り替える場合もこの対象に挙げている。それ以前のモデルの思考ブロックは対象外だ。
advisor tool の助言側
advisor tool(ベータ。作業するモデルが別のモデルに助言を求める仕組み)で Sonnet 5.5 を作業側にする場合、助言側に使えるのは Claude Mythos 5.1・Fable 5.1・Claude Mythos 5・Claude Fable 5・Opus 5.5・Opus 5 か、Sonnet 5.5 自身だ。Claude Opus 4.8・Opus 4.7・Claude Opus 4.6・Sonnet 5・Sonnet 4.6・Haiku 5.5 を助言側にすると 400 エラーになる。Sonnet 5.5 が受け付ける助言側はどれも助言を暗号化して返し(advisor_redacted_result)、クライアントは助言の文章を読めない。
Sonnet 5 を作業側にしている間は、Opus 4.8・Opus 4.7・Sonnet 5・Haiku 5.5 も助言側にできる(Opus 4.6 と Sonnet 4.6 は Sonnet 5 でも使えない)。
advisor tool の仕組みと Opus・Sonnet の組み合わせ方は、Claude「advisor tool」でAIエージェントのコストを抑えるOpus×Sonnetの組み合わせで解説している。
ツール呼び出しの間の文章
ツール呼び出しの間に Sonnet 5.5 が書く1〜2文より長いメモ(進捗メモ)は、テキストではなく思考ブロックとして返る。短い一言はテキストのまま返る。既定の display: "omitted" では進捗メモの文章が空になるため、ツール呼び出しの間の文章を利用者に流しているアプリは、エラーも出ないまま無言になる。
API でのサイバー系の拒否とフォールバック
API では、設定しない限り、安全策で断られた依頼は自動では Sonnet 5 に切り替わらず、拒否が返る。断られた応答は HTTP としては成功の扱いで返り、stop_reason が refusal になって、stop_details に分類(cyber・bio・frontier_llm・reasoning_extraction・general_harms)が入る。
断られた依頼を Sonnet 5 で処理し直すには、Claude API のサーバー側のフォールバック(fallbacks: "default"、ベータ)を使うか、SDK のミドルウェアや自前の再試行を使う。サーバー側のフォールバックが Sonnet 5 で再実行するのは cyber と frontier_llm で断られた依頼で、bio・reasoning_extraction・general_harms は再実行しない。
精度・ベンチマーク
Anthropic 自身は、いくつかの評価では max の Sonnet 5.5 が Opus 5.5 に近い成績を出す一方で、ベンチマークはモデルの能力の一面しか捉えないとしている。同社と外部のテストでは、判断を続けて求められる複雑で開かれた作業では、Opus 5.5 がはっきり強いままだという。
次の表の範囲では、Sonnet 5.5 の値は Sonnet 5 を全8行で上回り、Opus 5.5 には7行で及ばない(GDPval-AA の1844と1846のように差の小さい行も含み、行数は差の大きさを示さない)。
| ベンチマーク | 測っているもの | Sonnet 5.5 | Sonnet 5 | Opus 5.5 | GPT-6 Sol |
|---|---|---|---|---|---|
| Terminal-Bench 4.0 | コマンドラインでの複数手順の作業 (エージェント型のコーディング) | 70.6% | 10.3% | 66.4%(xhigh) | — |
| FrontierCode 1.1(Main) | 人の手直しなしでマージできるコード変更を書けるか | 46.2%(max)/52.1%(xhigh) | 42.4% | 54.4% | 49.3% |
| CursorBench 4.0 | 実際の Cursor の作業から取った、曖昧で複数ファイルにまたがるコーディング | 55.5% | 34.1% | 57.8% | — |
| GDPval-AA v2.1 | 44の職種にまたがる実務 | 1844 | 1449 | 1846 | 1487 |
| AA-Briefcase v1.1 | 長い時間をかける知的作業 | 1811 | 1359 | 1822 | 1483 |
| Humanity’s Last Exam(ツールあり) | 専門家レベルの学術知識と推論 | 64.5% | 54.9% | 67.7% | — |
| OSWorld 2.1(partial) | 実際のコンピュータの操作 | 80.1% | 57.0% | 81.8% | — |
| Chartography(ツールなし) | グラフ・図表の読み取り | 61.6% | 15.6% | 64.4% | 53.6% |
値は Anthropic の Sonnet 5.5 の発表ページ(2026年9月28日)の比較表に掲載されたもので、Anthropic が自社の発表のために載せた値だ。値のセルの括弧内は effort の段階(書いていないものは発表ページに段階の注記が無い値)、ベンチマーク名の括弧(Main・ツールあり・partial など)は評価の版や条件を表す。GDPval-AA と AA-Briefcase は Artificial Analysis が測ったスコアで、%ではない。「—」は発表ページの表で値が載っていない欄だ。各社の測定の条件は同じとは限らず、手元の作業で同じ差になる保証もない。
Opus 5.5 と比べて Sonnet 5.5 の値が上なのは、Terminal-Bench 4.0 の1行だけだ。GPT-6 Sol の値が載っている4行のうち、GDPval-AA・AA-Briefcase・Chartography は Sonnet 5.5 の値が上で、FrontierCode は xhigh の値なら Sonnet 5.5 が上、max の値なら GPT-6 Sol が上になる。
発表ページの表の脚注には、値を読むうえで前提になる点が書かれている。
- Opus 5.5 の Terminal-Bench 4.0 は、最高点が出た xhigh の値。
- Sonnet 5.5 の FrontierCode は、max(46.2%)のほうが xhigh(52.1%)より低い。max では Claude Code のコードレビューのスキルを多くのサブエージェントに分けて走らせることが増え、Cognition が調べた2件では、時間切れや作業範囲を超える編集につながったという。段階を上げれば値が上がるとは限らない例で、「API での出発点」の、xhigh と max は自分の評価で品質の向上が見えたところだけで使うという案内につながる。
- GDPval-AA と AA-Briefcase は、Artificial Analysis が Sonnet 5.5 の公開前の環境で測った値。その環境には structured outputs を使う依頼の応答を損ねうるバグがあった。Anthropic は、影響は小さく、あるとしても Sonnet 5.5 を低く見せる方向と見ている。バグは修正済み。
- 発表ページの脚注によると、GPT-6 Sol は画像理解を損ねるバグを発表の少し前に OpenAI が直しており、GDPval-AA・AA-Briefcase・Chartography の GPT-6 Sol の値はその修正を反映していない可能性がある。ただし同じ脚注は、Artificial Analysis は GDPval-AA と AA-Briefcase への大きな影響を見込んでおらず、Anthropic の社内テストでは Chartography の値は影響を受けなかったようだとしている。
- 表の GPT-6 Sol は9月28日の発表時点の比較相手だ。OpenAI の API の変更履歴によると、OpenAI はその翌日の2026年9月29日に GPT-6.1 Sol(
gpt-6.1-sol)を公開した。表の GPT-6 Sol の値は GPT-6.1 Sol の値ではない。
ここでの約10分の1・約5分の1は、比較相手の最高点に並ぶ・上回る成績を出すのに要した費用の比で、「Sonnet 5 より最大30%安い」という同じ作業の費用の比較とは比べ方が違う。発表ページの図の説明では、effort が high(Claude Platform の既定と同じ段階)の Sonnet 5.5 が FrontierCode で GPT-6 Sol の最高点に並び、1タスクあたりの費用は約5分の1(比較相手は GPT-6 Sol)だった。effort が medium(Claude Code とアプリの既定と同じ段階)の Sonnet 5.5 は、Terminal-Bench 4.0 で Sonnet 5 の最高点を、1タスクあたり10分の1未満の費用で大きく上回ったという。1タスクあたりの費用は同社の推定で、手元の作業で同じ比になる保証はない。
Haiku 5.5との使い分け
Anthropic は Haiku 5.5 を、要約・コンパクション(会話の圧縮)・データベースへの問い合わせ・分類のような、短く繰り返す大量の処理のためのモデルとしている。コーディングでは Opus 5.5 や Sonnet 5.5 のサブエージェントとして組み合わせる使い方を挙げ、標準の速度では同社で最も速いモデルだという(Opus の Fast Mode よりは遅い)。
Claude API の単価を Sonnet 5.5 と比べると、Haiku 5.5 はプロンプト10万トークン以下の区分で入力・出力とも Sonnet 5.5 の20分の1、10万トークン超の区分で4分の1になる(単価の比で、同じ作業にかかる費用の比ではない)。Haiku 5.5 のトークナイザは Claude 4.7 以降のモデルと同じ新しいもので、公式は Sonnet 5.5・Opus 5.5 のものと似ていると説明している。
Haiku 5.5 は Haiku 系で初めて effort を調整でき、既定は medium だ。公式の推奨は、エージェント型のコーディングを含むほとんどの作業で medium から始め、チャット・短いツール作業・単純な大量の依頼には low、知識の作業・長めのエージェント作業・指示の厳密な順守には high を使うというもの。low では、長いエージェントのプロンプトで検索や確認を飛ばしたり早く止まったりしやすいと公式は注意している。xhigh と max は評価で品質が上がるところだけで使い、Sonnet 5.5 と性能・費用・速さを比べるよう案内されている。API では effort が high 以下なら thinking: {"type": "disabled"} で思考をオフにできる(Claude のアプリでは Haiku 5.5 の思考はオフにできない)。
Haiku 4.5 から Haiku 5.5 へ移る場合
Anthropic は、Haiku 5.5 の動作費用が Haiku 4.5 より平均で約75%安いと説明している。単価はプロンプト10万トークン以下で90%、10万トークン超で50%低く、Haiku 4.5 では依頼の90%が前者だったという同社の計算で、新しいトークナイザで同じ作業に使うトークンがやや増える分も織り込まれているという。約75%は平均で、作業の中身とプロンプトの長さで変わる。
同じ文章が Haiku 4.5 より約30%多いトークンに数えられる点は、公式のモデルページにある。
Haiku 5.5 の発表ページの値
Haiku 5.5 の発表ページの表の範囲では、Haiku 5.5 の値は同じ表の Sonnet 5.5 の参考値より全8行で低い。%で示された行のうち差が最も大きいのは Terminal-Bench 4.0(39.2% と 70.6%)だ。
値は Haiku 5.5 の発表ページ(2026年10月7日)の掲載値で、Sonnet 5.5 の列は同じページに参考として載った値だ。Haiku 5.5 の値には effort の段階が添えられていない。出所と読み方は「精度・ベンチマーク」の注記と同じ。
| ベンチマーク | Haiku 5.5 | Haiku 4.5 | GPT-6 Luna | Sonnet 5.5(参考) |
|---|---|---|---|---|
| GDPval-AA v2.1 | 1620 | 735 | 1437 | 1840 |
| AA-Briefcase v1.1 | 1578 | 614 | 1336 | 1824 |
| OSWorld 2.1(offline subset) | 72.4% | 15.7% | 48.9% | 83.9% |
| Humanity’s Last Exam(ツールなし) | 45.9% | 10.2% | — | 56.9% |
| Humanity’s Last Exam(ツールあり) | 57.4% | 18.7% | — | 64.5% |
| Terminal-Bench 4.0 | 39.2% | 0.0% | 16.4% | 70.6% |
| FrontierCode 1.1(Main) | 46.4% | — | 42.4% | 52.1%(xhigh) |
| Chartography(ツールなし) | 46.4% | 6.4% | 29.1% | 61.6% |
この Sonnet 5.5 の参考値は、Sonnet 5.5 の発表ページの値と一部違い、測り方の表記も違う。GDPval-AA v2.1 は1840(Sonnet 5.5 の発表ページは1844)、AA-Briefcase v1.1 は1824(同1811)、OSWorld 2.1 は offline subset で83.9%(同 partial で80.1%)だ。Terminal-Bench 4.0・FrontierCode(xhigh)・Humanity’s Last Exam(ツールあり)・Chartography は同じ値になっている。2つの表の値は混ぜずに、それぞれの表の中で読む。
なお、OpenAI の API の変更履歴によると、OpenAI は2026年9月25日に GPT-6 Sol と GPT-6 Luna の画像理解を損ねていた画像処理のバグを直し、画像を入力に使う場合は評価をやり直すよう勧めている。
Sonnet 5.5 との組み方
Anthropic は、Terminal-Bench 4.0 が測るような複雑なエージェント型のコーディングでは Sonnet 5.5 と Opus 5.5 のほうがよい選択だとし、Haiku 5.5 は範囲を絞った作業に最も合うとしている。範囲を絞った短い処理を大量に回す部分は Haiku 5.5、複雑なエージェント型のコーディングは Sonnet 5.5 か Opus 5.5 という位置づけだ。そのうえで、同じ入力を Haiku 5.5 と Sonnet 5.5 に流して質が足りる側を選び、Haiku 5.5 で足りない処理だけ Sonnet 5.5 に回す組み方ができる。
Opus 5.5との使い分け
Anthropic は、判断を続けて求められる複雑で開かれた作業では Opus 5.5 がはっきり強いとし、Sonnet 5.5 を、範囲のはっきりした日常の作業を最も得意とする補完役としている。単価はその次の材料になる。
Claude API の単価で比べると、Sonnet 5.5 の入力・出力・キャッシュ書き込み・キャッシュ読み出しはどれも Opus 5.5 の半分だ。Opus 5.5 は API の effort の既定が medium で、適応型の思考は常にオンになっていてオフにできない(thinking: {"type": "disabled"} はどの effort でも 400 エラー)。
API の既定は Sonnet 5.5 が high、Opus 5.5 が medium と逆になる。費用を比べるときは effort の段階名を揃えたうえで、使ったトークン数と結果の質も並べる(段階はモデルごとに較正されていて、段階名が同じでも考える量は同じとは限らない)。
Anthropic は、Sonnet 5.5 が Opus 5.5 を最もよく補うのは、1タスクあたりの費用が安い低い effort で使うときだと説明している。高い effort では、発表ページの図の評価で、同じくらいの費用で同じくらいの成績になりうるという。
会話の途中でモデルを替えるときは、Sonnet 5.5 の思考が引き継がれるかどうかが経路と方向で変わる。
- 引き継がれる経路:Claude API と Google Cloud では Opus 5.5 が Sonnet 5.5 の思考ブロックを読めるため、会話の途中で Sonnet 5.5 から Opus 5.5 へ上げても推論が引き継がれる。
- 引き継がれない場合:Sonnet 5.5 から他のモデルへ移る場合や、ほかの経路では、切り替えた後のターンは Sonnet 5.5 の思考なしで動く。読めない思考ブロックは API がモデルに渡す前に取り除き、その分は課金されない。
- Sonnet 5.5 の側が読めない相手:Sonnet 5.5 は Opus 5・Opus 5.5・Fable・Mythos の思考ブロックを読めない。
引き継がれるのは Sonnet 5.5 から Opus 5.5 へ上げる方向で、Opus 5.5 から Sonnet 5.5 へ下げる方向では引き継がれない。Claude API と Google Cloud なら、Sonnet 5.5 で始めて詰まった作業だけ Opus 5.5 へ上げる組み方が取れる。
Sonnet 5.5・Opus 5.5・Haiku 5.5 のように複数のモデルを役割で組み合わせる設計は、マルチオーケストレーションとは?複数AIを役割で組み合わせる2つの設計パターンで扱っている。
他社モデルとの料金の比較
OpenAI と Google のモデルのうち、Sonnet 5.5 と単価の近いモデルと、Haiku 5.5 の比較相手の GPT-6 Luna を並べる。OpenAI の最上位の GPT-6 Astra(100万トークンあたり入力10ドル・出力50ドル)などは含めていない。
| モデル(100万トークンあたり・米ドル・標準の料金・2026年10月14日時点の掲載) | 入力 | 出力 | キャッシュ読み出し |
|---|---|---|---|
| Sonnet 5.5 | $2 | $10 | $0.10 |
| GPT-6.1 Sol(入力27万2,000トークン以下) | $2.00 | $10.00 | $0.10 |
| GPT-6.1 Sol(入力27万2,000トークン超) | $4.00 | $15.00 | $0.20 |
| Gemini 4 Argon(2026年11月30日まで) | $2.00 | $10.00 | $0.10 |
| Gemini 4 Argon(2026年12月1日から) | $4.00 | $20.00 | $0.20 |
| Haiku 5.5(プロンプト10万トークン以下) | $0.10 | $0.50 | $0.01 |
| GPT-6 Luna(短い入力の区分) | $0.10 | $0.50 | $0.01 |
Sonnet 5.5 と Haiku 5.5 は Claude API の掲載値。キャッシュ読み出しの欄は、OpenAI ではキャッシュ入力、Google ではコンテキストキャッシュの料金にあたる(Gemini 4 Argon は暗黙のキャッシュのみ)。Gemini 4 Argon(gemini-4-argon)は有料枠の料金で、出力は思考のトークンを含み、無料枠では使えない。GPT-6 Luna も GPT-6.1 Sol と同じく短い入力と長い入力の区分に分かれていて、長い入力の区分は入力 $0.20・出力 $0.75・キャッシュ入力 $0.02。
OpenAI は2026年9月29日に GPT-6.1 Sol を、複雑なコーディングや専門的な業務のために GPT-6 Astra より低い費用で使えるモデルとして公開した。標準の料金は、プロンプトの入力が27万2,000トークンまでの区分で示されている。
単価だけで並べると、Sonnet 5.5 の入力・出力・キャッシュ読み出しは、GPT-6.1 Sol の27万2,000トークン以下の区分と同じだ。長い入力では、Sonnet 5.5 は100万トークンまで同じ単価なのに対し、GPT-6.1 Sol は入力27万2,000トークン超で、100万トークンあたり入力4ドル・出力15ドルになる。
Gemini 4 Argon は、2026年10月14日時点の掲載では、2026年12月1日から入力・出力・キャッシュとも Sonnet 5.5 の2倍になる。11月30日までは、入力・出力とも Sonnet 5.5 と同じだ。
これは単価だけの比較で、同じ文章の処理にかかる費用は比べていない。トークンの数え方は各社で違い、同じ文章でもトークン数は一致しないため、単価が同じでも同じ文章の処理にかかる費用が同じとは限らない。
精度については、「精度・ベンチマーク」の GPT-6 Sol の列と、「Haiku 5.5との使い分け」の GPT-6 Luna の列が Anthropic の載せた値として読めるだけで、ここでは優劣を判断しない。この表の GPT-6.1 Sol の単価は、ベンチマークの表や約5分の1の比較相手の GPT-6 Sol とは別のモデルのものなので、結びつけて読まない。
Claude と ChatGPT をサービスとしてどう使い分けるかはClaude vs ChatGPT 徹底比較で、OpenAI 側の Sol と Luna の選び方はGPT-6 は Sol と Luna のどちらを選ぶかで扱っている。
使える場所と始め方
Claude のアプリ(claude.ai)
Claude のアプリでは、モデル名のメニューからモデルと effort を選ぶ。claude.ai のプランで使う場合の、プランごとに使えるモデルと Claude Code は次のとおり(claude.com の料金ページのプラン比較表)。
| 項目 | Free | Pro | Max 5x | Max 20x |
|---|---|---|---|---|
| Sonnet | 使える | 使える | 使える | 使える |
| Haiku | 使える | 使える | 使える | 使える |
| Opus | 使えない | 使える | 使える | 使える |
| Claude Code | 使えない | 使える | 使える | 使える |
表の Sonnet・Haiku・Opus は版を付けない表記で、Sonnet 5.5 が選べるかはこの表からは分からない。モデル名のメニューで確かめる。
Fable は Free では使えず、Pro では使用クレジット(usage credits)での利用になる。Pro の料金は月払いで月 $20、年払いでは月 $17 相当(年 $200 の前払い)で、いずれも税別の表示だ。どのプランにも利用量の上限があり、5時間の枠ごとに回復する。有料プランには、これに加えて週ごとの上限がある。料金ページは、Claude Code がすべての有料プランに含まれるとし、Anthropic Console のアカウントで従量課金の API クレジットに切り替えて使う方法もあると説明している。
Claude・Gemini・ChatGPT の月額のサブスクを並べて比べたい場合は、Claude・Gemini・ChatGPT|初めてサブスクするならどれを選ぶか比較がある。
API と各クラウド
Sonnet 5.5 は Claude API(claude-sonnet-5-5)、AWS の Amazon Bedrock(anthropic.claude-sonnet-5-5)と Claude Platform on AWS、Google Cloud、Microsoft Foundry で提供されている。Anthropic は、Opus 5.5 や Sonnet 5 と同じく、Sonnet 5.5 もゼロデータ保持(データを保存しない取り決め)で使えると説明している。
データ保持のページは、Anthropic がデータの処理者になる Claude API・Claude Platform on AWS・Microsoft Foundry を扱っている。ゼロデータ保持の申し込み方を明記しているのは Claude API と Claude Platform on AWS で、Foundry での申し込み方は2026年10月14日時点で同ページには見つけられなかった。Claude API では組織ごとに有効にし、Anthropic の営業窓口に申し込む。Claude Platform on AWS では、Anthropic の担当者に申し込む。Amazon Bedrock と Google Cloud の Agent Platform ではクラウド事業者が処理者で、各社のデータ保持の方針に従う。Batch API(29日間保存)や Files API のように、ゼロデータ保持の対象外の機能もある。
Claude Code
Claude Code の別名 sonnet は、Anthropic API 以外の経路では Sonnet 5.5 を指さない(詳しくは「Claude Code では既定が high から medium に下がる」)。Amazon Bedrock・Google Cloud の Agent Platform・Microsoft Foundry・Claude Platform on AWS で配る場合、公式は別名に任せず、ANTHROPIC_DEFAULT_SONNET_MODEL などの環境変数へバージョンつきの ID を入れて固定するよう勧めている。別名の既定は新しいモデルより遅れることがあり、固定すれば新しいモデルへ移る時期を自分で決められる。ID の形式は各社の案内による。
別名が Sonnet 4.5 を指す経路のうち Microsoft Foundry は、2026年10月14日時点の公式ページでは、2026年9月30日に非推奨(Deprecated)となっていて、2026年11月30日に退役する予定(移行先は claude-sonnet-5-5)。Amazon Bedrock と Google Cloud の Sonnet 4.5 の日程は各社の案内による。
Claude Code をほかのコーディングツールと比べたい場合は、AIコーディングツールはどれを選ぶ?Cursor・Copilot・Claude Code・Codexを用途別に比較とClaude Code vs OpenAI Codex 徹底比較で扱っている。
Claude Code に任せる範囲を絞りたい場合は、Claude Codeを安全に自律実行する方法|Hook・/sandbox・隔離でリスクを下げるで Hook や隔離の使い方を解説している。
よくある質問
Claude Sonnet 5.5 の effort の既定値はいくつか
Claude Platform(API)は high、Claude Code と Claude のアプリは medium。Sonnet 5 は API でも Claude Code でも high だった。Claude Code では、段階を固定していなければ high から medium に下がり、Sonnet 5 で保存した段階は Sonnet 5.5 に引き継がれない。
effort は何にすればよいか
使う場所で出発点が違う。API では、公式の出発点の案内(エージェント型でも遅延に敏感でもない作業は high、仕様が明確なエージェント型のコーディングは medium など)から始める。Claude Code では既定の medium から始め、足りなければ /effort で上げる。Claude のアプリでは、メニューの Default が推奨の段階だ。どれも出発点で、最適な段階は作業ごとに結果の質と使ったトークン数を見て決める。
Claude Sonnet 5.5 は無料で使えるか
料金ページの比較表は Free プランで使えるモデルを版を付けない「Sonnet」と書いていて、Sonnet 5.5 が選べるかはこの表からは分からない。Claude のアプリのモデル名のメニューに出るモデルで確かめられる。claude.ai のプランで使う場合、Claude Code は Free では使えず Pro 以上で使える。Anthropic Console のアカウントで従量課金の API を使う方法や、各クラウド経由の Claude Code は、このプラン表の対象外。
Sonnet 4.6 から Sonnet 5.5 に移ると何が変わるか
単価は下がるが、同じ文章がより多くのトークンに数えられ、thinking を指定していない依頼でも適応型の思考が有効になり、思考のトークンは出力として課金されるため、費用の差は単価の差どおりにはならない。API では、Sonnet 5 からの変更(「APIで移行するときに止まる箇所」)に加えて、budget_tokens による思考の指定と、temperature などを既定以外の値にする指定がエラーになる。
Sonnet 5 向けに書いたコードはモデル ID を替えるだけで動くか
動かない場合がある。事前の思考をオフにしているコードは、effort が high 以下なら between_tools に書き換え、xhigh・max では適応型の思考を使う。ほかの破壊的変更は、「APIで移行するときに止まる箇所」の表で、使っている機能に当てはまるか確かめる。
Opus 5.5 と Sonnet 5.5 はどちらを使えばよいか
Anthropic は、判断を続けて求められる複雑で開かれた作業では Opus 5.5 がはっきり強く、Sonnet 5.5 は範囲のはっきりした日常の作業を最も得意とすると位置づけている。一方で、モデル一覧は迷ったら Opus 5.5 から始めるよう案内している。同じ作業を低い effort の Sonnet 5.5 で試し、質が足りなければ Opus 5.5 に上げる、という順で確かめる。
Sonnet 5 はまだ使えるか
Anthropic が運営する経路(Claude API・Claude Platform on AWS・Microsoft Foundry)では使える。公式は Sonnet 5 を Active (legacy) とし、Sonnet 5.5 への移行の検討を案内している。Amazon Bedrock と Google Cloud は各社の案内による。
まとめ
Claude のアプリでは、メニューの Default の段階から始める。
Claude Code で Sonnet 5.5 を選んでいる場合は、段階を固定していなければ既定が medium になり、Sonnet 5 で /effort から保存した段階も Sonnet 5.5 には引き継がれないので、足りなければ /effort で Sonnet 5.5 用に段階を選ぶ。
API では、既定の段階名は high のままでも段階の中身は再較正されているので測り直し、モデル ID を替える前に、使っている機能に当てはまる破壊的変更を直す(Sonnet 4.6 からは追加の変更もある)。
作業の種類と Anthropic の位置づけの対応は次のとおり。
- 範囲のはっきりした日常の作業(バグの修正、文書・スライド・表計算の作成)は Sonnet 5.5
- 判断を続けて求められる複雑で開かれた作業は Opus 5.5
- 短く繰り返す大量の処理(要約・分類・データベースへの問い合わせ)は Haiku 5.5
この対応は Anthropic の発表ページの説明による。範囲を絞った処理が Haiku 5.5 と Sonnet 5.5 の両方に当てはまるときは、同じ入力を両方に流して質が足りる側を選ぶ。
- 料金:Claude API の単価は入力2ドル・出力10ドル(100万トークンあたり)で Opus 5.5 の半分、Sonnet 5 とはキャッシュ読み出しだけが違う(0.10ドル)。
- ベンチマーク:Sonnet 5.5 の発表ページの表では全8行で Sonnet 5 を上回り、Opus 5.5 には7行で及ばない(Anthropic の掲載値)。
- 他社:単価は GPT-6.1 Sol の27万2,000トークン以下の区分と同じ。Gemini 4 Argon は2026年11月30日まで同じで、12月1日から2倍(2026年10月14日時点の掲載)。
モデル一覧は、迷ったときの出発点を Opus 5.5 に置いている。モデルの位置づけと一覧の案内が分かれるので、Opus 5.5 から始めて範囲の決まった作業を Sonnet 5.5 に分けるか、Sonnet 5.5 から始めて詰まった作業を Opus 5.5 に上げるかを、手元の作業で試して決める。
参考資料
- Introducing Claude Sonnet 5.5 (Anthropic)
- Claude Sonnet 5.5 (Claude Platform Docs)
- What’s new in Claude Sonnet 5.5 (Claude Platform Docs)
- Claude Sonnet 5.5 migration guide (Claude Platform Docs)
- Effort (Claude Platform Docs)
- Pricing (Claude Platform Docs)
- Model configuration (Claude Code Docs)
- Model deprecations (Claude Platform Docs)
- Introducing Claude Haiku 5.5 (Anthropic)
- Claude の料金プラン (claude.com)
- OpenAI API pricing
- Gemini Developer API pricing (Google)

